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STATION
神原中学校 正門
monologue
かりん
転勤がおおかった わたしの家は
なので、転校した先のことを
家と、学校以外は もちろん詳しくないので
だれかと“待ち合わせる”といえば、学校の正門だった
携帯電話を持っていないころは
ここに、ほんとうに その“だれか”はやってくるのか
不安だった、のを憶えている
あの、待っている数分間 十何分間 何十分間のことを―――――
dialogue
かりん×あきら
……(――かりんは空港にいて、あきらを見送っている)
かりん ごめんね、わたし 地図を見るのが不得意で
あきら ううん、ありがとう ここまで来てくれて
かりん いやいや、いいんだよ
エスカレーターの脇にあるクレーンゲームしたかったしさあ
あきら あれ、とても上手いのは なんでなの?
かりん わかんない
あー、あれかなあ こんど会えるのって、成人式かなあ?
あきら うーん、どうだろうね
かりん まあ、また連絡してよ
……
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