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STATION
東京駅
monologue
まり
片おもいをしていた男性が、東京へ行ってしまった
わたしもついて行ってもいいですか
東京へ 行ってもいいですか、と
まあ、ダメだとおもって 手紙を書いてみて
しばらく文通は、つづいたけれど
すこしして返事がこなくなって、途切れてしまった
東京駅で“待ち合わせ”がしたかった
冬だったのを、憶えている―――――
dialogue
まり×きよみ
……(――まりは勤めている病院にいる。きよみがやってくる)
きよみ おつかれさま
まり おつかれ
きよみ 彼、行っちゃったね 東京
まり そうだね
あの、しょぼくれたバイクも もう見れないのか
きよみ そうなるか
そういえばさあ、『風と共に去りぬ』って、観た?
まり 観てない
きよみ 観たほうがいいよ、わたしは放心状態になったよ
……
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